落部漁師・えび籠漁を追う

稽古照今

落部船団活ぼたん海老は現代において新しいブランドとして生き続ける
男達が進む先には壮大な自然と漁場がある
時は漆黒から天が照らされる時へ

落部のえび籠漁は深夜に漁港を出発する。深夜の海は静寂に包まれている。前の見えぬ漆黒の空間へ男達は何も言わず進んでいく。

漆黒の中、突如かごめが現れる。何かを教えてくれているようだ。事前に仕掛けた漁場へ船で40分程度向かう。

漁場に到着後、慣れた手つきで作業が開始される。船頭が網をあげ、籠に入った海老を出す、海老は透明で活き活きとした姿で船上に姿を現せた。

この地域で獲れる海老はトヤマ海老の種類。年に2回のえび漁が行われる。秋に獲れる海老はサイズが大きいので食べこだえが満点である。そして、獲れたてで生きている海老は透明である。

明け前に船は別の漁場へ移動する。絶景を見ながら漁師たちは次の漁場への大漁を願いながら進んで行く。

西から東へ、船は進む。先人達もこの噴火湾を発見した時には同じ風景を見て感じ、自然の強さを感じただろう。もともと日本では内浦湾とい う表記であるが噴火湾と言われたのは1796年(寛政8年)に当地を訪れた英国の調査スループプロビデンス号のブロートン海尉がこの地形を見たところ 「Volcano Bay !!」と話したことからとの記述がある。